ニュースなどでも度々耳にする「空き家問題」。2015年には空家法も施行され、行政主導による空き家対策が進められています。
ここでは、空き家問題の概要や対策について、簡単に解説します。
1.空き家問題とは

年々増え続ける空き家
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」 によると、全国の空き家総件数は、 2023年時点で900万戸、空き家率は約13.8%と、過去最多の結果となりました。そのうち、賃貸・売却用や二次的住宅(別荘など)を除く空き家は385万戸と、空き家増加件数の約7割を占めています。
人口減少や少子高齢化などを背景に、国内の空き家は年々増加し続けています。
空き家が放置されると、倒壊などの安全面の問題のほか、ねずみや害虫の発生、不法侵入の発生など、衛生面や防犯面でも周囲に悪影響をもたらす可能性があります。
空家法の施行
このような問題を改善するため、2015年「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空家法)」が施行されます。この法律では、倒壊や衛生上の被害、景観の悪化などが懸念される空き家を「特定空家」と定義しています。
「特定空家」に指定されると、助言、指導、勧告、命令の対象となり、応じない場合は罰金や行政代執行が実施されるなど、厳しい措置が講じられます。
さらに2023年、対策強化のためより厳しい内容へと法改正され、放置すると特定空家になりかねない空き家も「管理不全空家」として、所有者に指導などを行う対象となりました。
「管理不全空家」や「特定空家」は、指導に従わず勧告を受けると、固定資産税の「住宅用地の特例措置」の対象外となり、減税措置が受けられなくなり、固定資産税が最大6倍になってしまう可能性があります。
「特定空家」の対象となる空き家とは?
景観の悪い空き家に対して、市町村は事前に通知の上で立ち入り調査を行います。
これはあくまでも調査であり、特定空家に指定するかどうかを確認するのが目的です。
特定空家に指定されるケース
- 倒壊の恐れがある
- 衛生上有害となる
- 景観を損なっている
- その他、周辺の生活環境の保全に支障をきたす
特定空家に指定されると、所有者には除却や修繕の指導や勧告が行われます。
ただし、指定の要因となった不適切な箇所を改善すれば、特定空家から解除されます。
2.空き家の対応策

空き家の活用方法
空き家を放置せず、適切な管理を行うためには、様々な選択肢が考えられます。
空き家を残す場合
- 建物ごと売却する(現状のまま、リフォーム後)
- 自分で住む
- 住宅用賃貸として活用する(賃貸物件、シェアハウスなど)
- 商業用途として活用する(シェアオフィス、民泊、カフェなど)
- 自治体の空き家バンクに登録する
更地にする場合
- 更地にして売却する
- 更地にして貸地にする
- 駐車場・コインパーキングとして活用する
- 農地として活用する
空き家も土地も、所有しているだけで固定資産税がかかります。
土地に家が建っていると「住宅用地の特例」が適用され、土地の固定資産税が6分の1に軽減されます。
一方、更地にした住宅用地の固定資産税は、軽減措置が外れるため、土地面積200㎡以下の場合で従来の3~4倍になります。
空き家を抱えるリスクや除却によるデメリット、費用や手間など、色々な面を考慮しながら冷静に判断することが大切です。
空き家対策は早期の検討がおすすめ
空き家は、放置すればするほど問題が大きくなってしまうものです。特定空家に指定される可能性がある場合は、早期に対応しなければなりません。
空き家を残すか、除却するか、早めに検討することをおすすめします。